book

芥川竜之介『蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇』

岩波文庫緑70-7。入手経路失念(買ったんだったかもらったんだったか)。興が乗っていたので芥川連投。岩波は「竜」之介なんだなあ。 子供向き作品を集めたということでわかりやすくするすると。けれど物語の展開だとか教訓的なところは個人的にはどうでもよ…

岩瀬大輔『生命保険のカラクリ』

文春新書723。PDFフリーダウンロードしていた本書、プリントアウトして放置していたのを一気読み。 保険素人としては目から鱗がたくさん落ちる本。専門知識に疎くても、理屈が追えればしっかり理解できる本だと思う。とはいえ、素人としてはいきなりこれを鵜…

芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』

角川文庫。友人からもらい6年寝かせてから読了。 高校時代、現代国語の定期試験で「羅生門」が試験範囲だった際、「この小説の最後の一文を書け」という問題が出た。ふつう、現代国語の試験といえば、その本文は抜粋だとしても問題用紙に書かれており、それ…

リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』

藤本和子訳。現代の日本文学に広範な影響を与えているということらしい本書。ブローティガンは2冊目。 突飛な比喩が舞う奇妙な掌編の小気味よい連続に、読後はとっても気持ちよく、さわやかで、「ああー、かっちょええなー」という印象。けれど正直、あまり…

原尻淳一『PLANNING HACKS!』

ブックオフでもずっとパラパラ眺めてはスルーしていた本書を、新刊書店で衝動買い。タイミングってある。 こういう本はお手軽に読めてしまうだけに「読んだだけで、できるようになったつもり」がダメなので、細かいところからでも行動を始めることが肝要であ…

サガン『すばらしい雲』

『一年ののち』の続編、ジョゼの話。結婚前に読むべきか結婚後に読むべきかは、議論が割れそうな小説。終始気だるく息苦しい空気が立ち込めるなかで、ほんのときどきワクワク。でも。そんなところ。すばらしい雲 (新潮文庫 サ 2-5)作者: フランソワーズサガ…

スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』

中篇1本+短篇6本。描写が細かくて細かくて、かといってすっ飛ばすのも躊躇われて、読むのに時間がかかってしまった。しんどかったけど面白かった。 この前に保坂和志を読んで、日常感とそのまんま地続きの描写を吸収していた身としては、日常感と地続きと見…

保坂和志『プレーンソング』

中公文庫。柴崎友香『きょうのできごと』の解説が面白かったので、きっと同じ感じの人なんだろうと予想して読んだ初めての保坂和志。 強く訴えかけてくるものがなにもなくて心地よい物語。あっちいったりこっちいったり、よどみなくだらだらと連なる言葉のリ…

マーク・ピーターセン『日本人の英語』

岩波新書(新赤版)18。風呂場で英文を声に出しながら読み、自分のあまりの発音の悪さ、口と舌の回らなさにがっかりしつつ読了(音読大事だ。これからもやろう)。 それはさておき、英語の意味的カテゴリーで考えることの大切さ。ネイティブスピーカーの著書…

サガン『一年ののち』

たしか大学4年のときに観た映画「ジョゼと虎と魚たち」に登場する本作、当時も読んだこの一冊を気まぐれに再読。理由は「薄いから」。会社帰りの地下鉄10分少々で、ちびりちびりと頁を積み重ね、やや飽いてきたので残りを家でまとめ読み。 パリの、いろいろ…

香取一昭/大川恒『決めない会議 たったこれだけで、創造的な場になる10の法則』

職場を変えてもうすぐ一年が経とうとしている。早いものである。所変われば品変わる。職場変われば色々変わる。てんで、会議のありかた等にややしばらく悩んでいたため、その打開策とすべく選んでみた一冊。 組織の考え方・コミュニケーションの考え方を整理…

ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン『小さなチーム、大きな仕事 37シグナルズ成功の法則』

ちょうど「会社ってなんなんだべ」「チームで働くことってなんなんだべ」と考える機会があり、その日にたまたま本書のブックレビューを見つけ、書店にて衝動買い&一気読み。付箋まみれ。 なんせ「規模拡大が目的ではないビジネスの話」であるところが個人的…

ポール・オースター『ムーン・パレス』

新潮文庫。昨年読み始めたのはいいが、途中で読む気力が萎えてしまい、それがキッカケに昨年の読書ペースを完全に乱した元凶の一冊。元凶とか言ったけど面白かった。途中で諦めずに(諦めてもいいと俺は思っているけれど、本書に関しては)よかった。 偶然(…

松田久一『「嫌消費」世代の研究 ― 経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち』

本書にて論じられるところの「バブル後世代(1979〜83年生)」にどんぴしゃ当てはまる1982年早生まれの鈴木が、自分(たち)のことを知るために。そして広告に携わる人間として今後の仕事や生き方について考える契機とするために、アマゾンでポチッと購入。…

天野祐吉『私説 広告五千年史』

ブックオフで衝動買い。何かの講義(風テレビ番組?)をまとめたものらしく、話し言葉で読みやすかった。 要は「人間の歴史は広告の歴史でっせ〜」ってんで、あれやこれや歴史の事項を「あれも広告」「これも広告」って説明してゆくのだけれど、そこはなんと…

水野敬也『夢をかなえるゾウ』

ブックオフでもなかなか値崩れしないなーと歯がゆい思いをしていたら、ある日開催されていた単行本オール500円均一フェアで購入することができた。 いろんな成功本、自己啓発本に書かれてきたようなことを、友達の兄ちゃんがわかりやすくまとめて語ってくれ…

柴崎友香『きょうのできごと』

文庫版。つい立ち読みした保坂和志による解説文が興味深く、買ってみた。映画は映画館で観た。けっこう好きな映画だったと記憶しているが、とにかく頭の中で「ジョゼ虎」とかぶってしまっているので、なんとも。 なにぶん「トラブル」だの「波風」だのが大の…

マーク・ストランド『犬の人生』

ブックオフで100円。「村上春樹訳」というだけで、軽い気持ちで購入した短編集。 元来、詩人として活躍しているらしい著者による小説。終始ふわふわと、靄のかかったような世界観。はじめ、言葉を一つひとつ追い、意味を理解しながら読み進めてゆこうとした…

金子由紀子『お部屋も心もすっきりする 持たない暮らし』

シンプルな暮らしをおくるための原理原則が書かれた、とてもためになる一冊。 この本、ずっと「欲しい本リスト」の中に入っていて、ことあるごとにこのタイトルを思い返すなどしていたところ、なんだか最近(昨年の引っ越し以降)とてもいい感じでモノを増や…

疋田智『自転車の安全鉄則』

朝日新書147。今の日本の自転車事情・自転車行政がいかにカオスでいかに危険かをわかりやすく熱く述べた一冊。自転車に乗るすべての人(本気チャリ・ママチャリ問わず)はもちろん、自転車に乗らないドライバーも、歩行者も、全員が読むべき本。これは自転車…

岡田斗司夫『脱デブ』

ソニー・マガジンズ新書S019。ブックオフで200円だったのを発見、購入。今年の痩せる決意を補強するために斜め一気読みした(『いつまでもデブと思うなよ』は2007年に既読)。取り組むにあたってのコツが列挙されているので、字引的に使おうと思う。目次を眺…

木下半太『悪夢のドライブ』

幻冬舎文庫。昨年、友人がくれた本のうちのもう一冊。キャラ一人ひとりの姿が特徴的・魅力的に立ち上ってくるのがいい。何でもアリのご都合展開、けれどそれを許してしまえるドタバタっぷり。細かいところは抜きにして結末へぐいぐい向かうドライブ感。これ…

高城剛『サバイバル時代の海外旅行術』

光文社新書419。買って数ヶ月ねかせておいたものを就寝前にざっと読み×2日。高城剛の本は簡単にざーっと読めてためになる豆知識があって「よっしゃーおれもやるどー」って気分になれるので好き。 著者のいつもの主張「もっともっと旅すれ!」についてはいま…

木下半太『悪夢の観覧車』

幻冬舎文庫。昨年、友人がくれた本のうちの一冊。「気が向いたら読むべ」ぐらいで寝かせていたのだけれど、その彼がこのほど札幌を去る運びとなった報を受け、今年は小説を読むという自分的目標とも一致したので、ざっと読んでみた。 軽い。軽い故に、疲れた…

原田宗典『私、という名の人生』

角川文庫。中学時代、大好きだった原田宗典。その後、ぱったり読まなくなってしまったけれど(しばらく出版も途絶えていたし)、久しぶりに書店の文庫コーナーで見つけた。160頁そこそこの薄い短編集で、さらりと読み終われそうだったので買い。 一見、形式…

幸田文『台所のおと』

講談社文庫。ずっと気になっていた幸田文、短編集を半年ほど前に衝動買いし、このほど読了。 視点の変化や緩急や、仮名遣い、言葉遣い、描写の距離感、すべてがほどよく快い読み心地。内容も筆致も重すぎず軽すぎず、ちょうどいい感じだった。観察眼の活かし…

佐々木俊尚『仕事するのにオフィスはいらない』

光文社新書413。仕事術的な本はしばらく敬遠していたのだけれど(読んでばかりでできた気になるのがいやだったので)、各所でのおすすめを読んだのと、自分自身に読書の勢いをつけるべく読みやすそうな本を、てんで購入。 自分の理想とするワーク(ライフ)…

古山浩一『鞄が欲しい』

エイ文庫。札幌市中央図書館にて資料探し中、うっかり目に留まってしまい衝動借り。副題は「万年筆画家が描いた50のカバン遍歴」。この著者のことをよく存じ上げなかったのだけれど、鞄マニアとしては有名な方のよう。 万年筆画家の著者による、鞄の絵の数々…

服部幸應・三國清三『味覚を磨く』

角川oneテーマ21。札幌市中央図書館より。 食育的な話。料理の世界に疎い私でも名前と顔が一致する著名な御二方だけれど、彼らが食育にすごく真剣に取り組んでいる(つか、服部先生が旗振り役に近い?)のを知らなかった。 私は別にジャンクフードで育ったわ…

小崎道雄『乳酸菌』

札幌市中央図書館より。副題は「健康を守る発酵食品の秘密」。八坂書房。小泉先生本の後なので、若干読みづらかったけれど、ざーっと読んだ。 面白かった話は「Aエリアで美味しくできる発酵食品の材料や菌・酵母をBエリアに持っていっても、BエリアではA…