原田宗典『私、という名の人生』

角川文庫。中学時代、大好きだった原田宗典。その後、ぱったり読まなくなってしまったけれど(しばらく出版も途絶えていたし)、久しぶりに書店の文庫コーナーで見つけた。160頁そこそこの薄い短編集で、さらりと読み終われそうだったので買い。
一見、形式が戯曲なのだけれど、どうにも普通の戯曲ではない。というか、いわゆる「演劇の台本」というよりは、国語の時間に習った意味での「戯曲」、上演せずともそれ自体が文学作品として自律しているよ、的な。
エッセイ的な軽妙さを持ちつつ、ぐさりと突いてくるような、とてもバランスのよい一冊。原田宗典の小説、もっと読みたいなー。いつか読み返してみようかな。