劇団千年王國『花』

3/23sunマチネ(千秋楽)コンカリーニョにて。
観ていて、お芝居が好きになった頃の気持ちをものすごく色濃く思い出した。観ていてとっても興奮すると同時に「こんなのがやりってー!!」と思いながら観ていた頃の。
もうすぐ10周年の千年王國。その旗揚げ公演の再演。わたくしが演劇を自発的に見るようになって約10年。初めて観たお芝居は千年王國ではなかったし、千年王國を初めて観たのはもう少し後(たしか『ニライカナイ』は第3回公演だったんじゃ?)なのだけれど、それでも思い出してしまった。多少くさかろうがお構いなしの勢い、ギャグ、ダンス、かっちょいい照明と音楽と、溌剌とした俳優達とうねるように展開する物語と、少々のエロ。そこに千年王國特有(?)のやりすぎ感。それこそ『ニライカナイ』観ておったまげた体張ってる感。キスシーンをきちんとやったり、美男美女さんがヒーローヒロインやってたり、俳優たちの身長をそろえたり。内部的な事情とかくだらない理屈とかを抜きにして、きちんと観客を楽しませることを率直に真摯にやるこの劇団がわたくしは好きだ。
ふと思ったのは、千年王國の(というか橋口幸絵の、とくに初期の)物語って、序盤〜中盤がずおおおおっとぶっとい一本のうねりなのが、後半から終盤にかけていちいちクライマックスでふわわわわって拡散してって終り、という印象を受ける。なので終盤はちょっとせわしなくってだれて疲れちゃうときがある。例えばわたくしがよく観ていた2000〜2003年頃のSKG(というかすがの公、ここ4年のSKGは観ていないのだけれど)の物語は逆で、前半ちりぢりばらばらだったのが後半から一気に一本のうねりとなってズドンと終わる、みたいな感じで、これは当時とっても好きだったなあ。どっちも好きなんだけれど、わたくしはどっちを目指していたんだっけなあ。
演劇それ自体が素晴らしいものだという考え方は捨てた(つもりだ)けれど、素晴らしい演劇はたくさんあるね。恵庭では高校生がこの作品を芸術鑑賞で観たらしい。これを決めた大人は偉い!観た高校生は本当に幸せだ!