劇団千年王國『贋作者』

11/22sun昼公演@琴似コンカリーニョ。トリビュート企画の一環としての、本家による再演。初演は2002年5月@旧コンカリ。あれから7年も経つのか…。
どうしても初演の印象が強く、その当時のキャストを思い浮かべながら「ここはこうだった、あそこはああだった…気がする」なんて念を振り払いきれないままの観劇。こんな観方じゃつまらないと自分でも思いながらも、ついつい。
初演を超えているかどうか、正直よくわからない。一度観ている物語だし、展開も知っているし、それに加えて当時と今とでは自分自身の変化が大きい。当時かぶりつきの座布団席で尻を痛めつつ「自分だったらこうしたい、ああしたい、ああ、これ真似したい。かっこいい。こんな舞台に立ちたい。こんな科白を言ってみたい。こんな間を取ってみたい」なんて思いながら観ていた俺は、今ではそんな念を抱かずに、やや後ろ目の椅子席に後ろ体重で腰掛ける。たった7年と言ってしまえばそれまでだけど経た時間が生んだ差異をあぶりだされた2時間弱。貴重な体験。あと、当時のコンカリーニョはもっと暗かったような記憶が。記憶だからわからないけれど。
ハッキリと憶えていたわけではない物語は、それでも所々「あ、次、こういう科白だ」などとなぞることができて、感興。残るものは残っている。オリジナルとフェイクの摩擦と葛藤。つくづくいい話。直前までチケット買わずに迷ってたけど、観に行ってよかった。