松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』

いたるところで名前を見、言葉を見、テレビで語る姿を見、ググる度に千夜千冊に行き着いていた松岡正剛を初読。まずはやさしそうなのってことで、タイトルで選んだ。
いやぁ、おもしろかった。たしかに17歳のとき、まだ受験用の世界史の知識とかがいっぱい脳にたまっていた時期にこの本にめぐりあっていたら。こんな話を聞いていたら。どんなに素晴らしかったろう。
一つの見方であるとはいえ、線がスッと引かれる、関係がつながる、その爽快感。関係を考えることの大切さを、わかりやすい(でも刺激的な)例を挙げながら伝えてくれる。考え方のバックボーンになる、骨になり血肉になるところが、ちょっとだけ得られたかもしれない感じ。彼の言う「編集」なるものをもっと知りたくなったので、他も読んでみよう。
講義録がもとになっているので、語りスタイルなのもよかった。参考書で言えば「実況中継」的なライブ感。つながりが見えなくなったとき、さらっと再読・通読したい本。

17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義

17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義