冷泉彰彦『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』

帯には「米大統領選が100倍面白くなる!」。大統領選直後に購入。ほぼ日「今日のダーリン」で糸井重里が「読もうっと」的なことを書いていて、それでついつい、ほいほいと。手に取った理由は他にもあって、一つは自分がふだんあまりに政治経済のことに疎いため、そのへんちょっとあかんな社会人としてという危機感。もう一つは大統領戦後に「オバマとマケインがそれぞれどの州で勝ったか」っていうアメリカの州ごとの塗り分け地図を見て「あれっ?」と思ったからだ。私はてっきりざっくり「北部は共和党、南部が民主党」とばかり思っていて、それはきっと高校世界史の断片的な知識からそう記憶していたのだけど、実際はざっくりと逆で、あ、でもよく考えたらブッシュってテキサスだよねとか思って、ちょっとわかわからなくなったからだ。
で、読んでみた。読んでよかった。両党の支持層やカルチャーが建国以来どのように変遷してきているか、その過程が大まかにわかりやすく説明されており、スッと腑に落ちた。ずいぶん変わってるんだなー、というか途中から逆じゃん。おもしろい。記憶にはまだがっぷり定着はしていないけれど(またわかんなくなって、ちょいちょい読み返すと思う)。面白かったのは政策面だけでなくカルチャーに各党的なものがそれぞれあるということ、それが人々の底の部分にも流れているということ、で、カルチャーとかいっときながら政治とは結局切っても切り離せなくなってるということ、アメリカ合衆国の(人々の)維持しようとするアイデンティティ、リベラルと保守。保守(共和党)が「合衆国」への猜疑心と「個人」の独立心を志向しているというあたりは興味深かった。国土の広さとの絡みとか。
と、ここまで書いていて、また混乱し始めている。「国のそもそもの始まりが『英国からの独立(徴税から逃れる)』ことであった/自分のことは自分でやろうぜ」で、それを保守とするとして、でもそれは現在の民主党につながってるわけで、ということは、途中(産業革命とかそのへん)で支持層がガラッと変わったそのときまで、共和党民主党は保守リベラル逆だったってことなのか?党の政策が先なのではなく支持層が保守かリベラルかが先立つ?んー、疎い、疎い俺。少しおいてから再読やら他資料やら読むか。