シンプルとエンプティネス

無印良品のメルマガで以下記事のことを知り、通読。おもしろかった。プレゼン図像が美麗すぎる。
原研哉氏トークイベント採録(1/5) | くらしの良品研究所 | 無印良品
歴史的・社会的背景から、小気味よく理論立てて語られるデザインのこと、ひいては暮らしのこと。仕事上の立場としては、必ずしも合致する場面ばかりではないとしても常に意識していたい選択肢のひとつ。生活者としては、常に丹田に据えていたい考え方。
長い記事だし、歴史の教科書に出てくるような言葉も頻出するのだけれど、やさしいし面白いから通読を激おすすめ。一箇所だけ引用する。

無印良品というのは、西洋から来た「シンプル」とは違う。「エンプティ」なんです。たとえば18歳の若者が新しい生活を始めようと思って、無印良品のベッドを見たとします。そして「僕の新生活にいいな」と思う。一方で、60代の熟年夫婦が同じベッドを見て「私たちの寝室にいいわね」と思う。18歳の生活にも、60代の生活にも、別々のシンプルなベッドをつくるんじゃなくて、ひとつのベッドを見て、皆が自分に合うと思えるような自在性ですね。どんな暮らしも使い方も引き受けますという、そういうエンプティをもっている。

ちなみに原研哉のことは「原田宗典のエッセイに登場する高校の同級生」として中学の頃から名前だけ知っていたが、かなりすごいデザイナーなんだぞということを知ったのはここ数年。本を出していることも知ってはいたけれど、読んだことがなかった。最近、久しぶりに原田宗典も読んだことだし、原研哉の本も読んでみようかなー。