かき手とよみ手

ほぼ日で連載中の、よしながふみ×糸井重里対談がおもしろい。まだ途中だけど、今日の内容がバチコンきたのでメモ。
嘘つく商売は、人より自由。[対談]よしながふみ×糸井重里

わたし、マンガを今、仕事で描いてて
すっごく楽しいけど、
やっぱり読んでる方が楽しいです!

描くようになってから、もっと前より
何でも読めるようになりました。
何でも面白くなって。

だからやっぱりマンガ読んでる方が
おもしろいんだけれど、
前よりずっと面白くマンガを読めるようになったので、
マンガ家になってよかったって思います。

以上、3つとも、よしながふみの発言。


なにかを「書きたい」と思うとき。なにか目的のある(たとえば、誰かを説得することを目的として書かれる)ものではない、なにかを書きたいと思うとき。それは、だれにどう読まれるということよりも前に、自分自身が、切実に「読みたい」と思えるもの(といっても、真面目でもいいんだけど、たのしいきもちで)を書きたい、という気持ちとして、迷ったら立ち返るコンパスとして、書き手としての自身のはらに落としておきたいなあ、と近頃ちょうど思っていて。「世の中に必要とされるものを書きたい」という気持ちも否定はしないけれど、それだけでは、やはりつらいし、「重要なことは既に全て書かれてしまっている」「自分がそれを見つけられていないだけ」という重圧に押しつぶされてしまいそうになる。
それで上記を読んで、「よみ手として」のまっとうのしかたと、「かき手であること」が「よむ」ことに与える好影響の指摘に、うれしいきもちになったのであった。それはプロアマということにとどまらず、人生を豊かにしてくれる循環のような気がして。


「聴き手と演り手」として、この対談も最高。
ナタリー -[Power Push]甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)×ROY(THE BAWDIES)対談

ヒロト 歌えないの、怖くて。こんなものが世の中に存在するんだから、もうほかの歌手はいらないと思って。僕なんかしゃしゃり出てって人前で歌っちゃいかんと思って、歌えなかった。

ヒロトですらこの体験があって、それでもヒロトは歌うんだぜってことが、勇気をくれる。