ルーズイズセクシー

「『世の中、もっとこうあってほしいよね』という批評精神がある」CMがこれからは主流になってほしい、と昨年、天野祐吉は言った。そのときに挙げられていた例は、サントリーBOSSの宇宙人ジョーンズと、ソフトバンク白戸家
サントリー金麦のCMは、そういった批評精神の真逆にあるファンタジーかもしれない。懐古のにおいを漂わせながら、絶対にありえないという前提の、ある層だけに響けばいいイデアの世界。これもまた広告であるし、これで商品が売れてるんだったらこれもまた人間であるし。

金麦の夏には、海に行こう。汽車に乗って、砂浜を蹴って。金麦の夏には、髪を切ろう。伸びた分の、少し先まで。金麦の夏には、あの人に会いにいこう。暑さにかまけて、いいわけにして。金麦の夏には、思いきり休もう。うでまくりして、えへんと胸はって。金麦の夏には、金麦の夏には、

言葉の中身、漢字かなの使い分け、改行(特に1、2からの3行目)など、ちょいちょい顔を出す、しどけなさの色気ったら。とりわけ末尾の糸始末ったら!