アイディアの嫌気性/好気性
嫌気的なアイディアは、言葉として結ばれていないもの・こと。
これらは脳の糠床に寝かせておいて、外気には直接触れさせない。記憶のフックとしての断片的メモのみ手元に記してよいが、結論を急がないことが肝要(例:キーワードや疑問や違和感のみを記す)。脳がフィルタリングした滋養を吸わせ、他のアイディアたちから染み出るエキスを吸わせながら、やがてカタチを結ぶとき・結びそうな気配が来るときまで、じっくりと熟成を待つ。但し、糠床は毎日混ぜて、外気を混ぜて、リフレッシュし続けなければならない。
好気的なアイディアは、言葉として結ばれたもの・こと。
一度カタチをとったアイディアは、そのまま脳に放り込んでおいては腐る。手が届かない糠床の奥底へ紛失してしまうこともある。よって、即座に書き付けることで脳の外へ取り出す。外に出たアイディアを俯瞰することは、外気と同様に脳の糠床に刺激と滋養を与える。また、秘密にしておく必要がないものについては他人に話したりウェブにさらすことで、他者からの影響をダイレクトに受けさせ変化を促すとともに、おいしく調理してもらえるコックさんとの出会いを待つ。使いどき・使いどころがあれば惜しみなく使う。
糠床から取り出すタイミングが大切。
アイディアがカタチをとりそうな気配がしたときや、「イメージはほぼ固まっているがうまく言語化できない」ときなどには、まず紙とペンを手にとってみる。試験的に脳から取り出して眺めてみること、作業仮説的に言葉や図形を連ねることはアイディアを一気に前進させることがある。やっぱりダメなときや、新たな嫌気的アイディアが派生したときには、再び糠床の中へと放り込む。