オルセー美術館展2010「ポスト印象派」
7/19mon@国立新美術館。10時スタートで、10時10分に行ったら50分待ち。噂に聞いていた通りの大盛況。とはいえ冷房の入った館内での行列だったし、前日まで炎天下で並びまくった我々夫婦には屁でもない程度ですよええ。
チケットもぎられて中に入ると、混雑しているとはいえ思っていたよりもゆっくりじっくり観られて大満足。展示室がわりと広めにとられていたし、人の流れに押されて進まざるを得ない…という残念なことがなかったので。
学生時代に美術史をあまり真剣にやらなかった残念な俺でも写真で観たことある絵や聞いたことある名前だらけ。セザンヌの『サント・ヴィクトワール山』が意外と細かく描かれてるなーと思ったり、一方で繊細に見えるロートレックの線は意外とざっくりだったり。技法のことはこれまたよくわからないのだけれど「ここは点描じゃなくてもよかったけど周りの流れもあって惰性で点描にしちゃってんじゃないのスーラ」やら「このへん、実は手ぇ抜いてんじゃないのゴーギャン」などと生意気に茶化してみたり。不勉強なりに、率直な感想を積み重ねつつ、楽しく鑑賞できた。「写真で観たことある作品の実物の確認」以上の体験は、個人的にはできたのではないかと思って満足している。作品の大きさって大事だよなー。これは美術館でいつも思うことではあるけれど。あまり大きくない絵が好き。
以下、おもしろいと思ったり、好きになった作品メモ。
- スーラ『サーカス(エスキース)』
ざっくりだけど点描なのね。
- セザンヌ『サント・ヴィクトワール山』
意外と小さくて好印象。自由だけど抑制がきいてる感じ(片岡球子を観たばっかりだからそう感じるのかもしれない)。
- ロートレック『黒いボアの女』
意外とざっくり。
- ゴッホ『馬車、アルル郊外のロマのキャンプ』
幌の感じが好き。
人がいるのがいい。妻に「黄色い絵が好きみたいだ」と言われた。そうかなあ?
- ゴーギャン『《黄色いキリスト》のある自画像』
キリストの描きっぷりが自画像に比べてだいぶ適当に見えるのは気のせいでしょうか。
- セリュジェ『護符(タリスマン)、愛の森を流れるアヴェン川』
小さい!キュッと凝縮されてるようで、スキがないわけじゃない感じ。かなり好き。
- セリュジェ『ナビに扮したポール・ランソン』
マギー司郎にしか見えない。
- ドニ『木々の中の行列(緑の木立)』
おんもしろい緑色。
- ヴュイヤール『読書する人(ケル=グザヴィエ・ルーセル)』
服と頭と、べったりした光がおもしろい。
- ボナール『白い猫』
夫婦で爆笑。
- モロー『オルフェウス』
ここにきて「美人って正義だよね!」みたいなプリミティブなパワーに「もっともです」って思った。
- ヴュイヤール『ベッドにて』
いい表情。
- ボナール『親密さ(クロード・テスラ夫妻)』
夫妻的。
- ボナール『ベッドでまどろむ女(ものうげな女)』
足で脚を掻くエロさ。
- ボナール『男と女』
ただの猫好きか!
- ハンマースホイ『休息』
色と雰囲気が好き。
- ルソー『蛇使いの女』
勇気がわく。
…なんかすっかりナビ派のファンになっている。絵の生パワーおそるべし。
全図版(+作家・作品名)入りのクリアフォルダが安くて超便利。中にはポストカードなどを。