着やせよ、さらば

私は太っている。極端な肥満体ではないが、太っている。「そんなことないよ」と言ってくださる優しい人もあるが、自分ではわかっている。百歩譲っても太めである(誰に対して何を譲っているのかわからないが)。ぽっちゃりというよりは、ガタイがよく見える系のデブである。坊主頭と老け顔も手伝って、時折「何かスポーツか格闘技をやられているのですか?」と聞かれる。「文化系です」と答える。
太めなのは、子どもの頃からだ。ずっと「やや肥満」であった。中学でバスケ部に入りだいぶ痩せたが、高校〜大学時代に少しずつウェイトを積み増し、就職一年目にガッツリ痩せて高校時代近くまで戻し、転職して一挙にリバウンドして現在が生涯最高体重である。高校〜大学時代の旧友と再会すると、開口一番「太ったね」と言われる。笑いながら凹む。
小学校の高学年くらいから、自分の体型がずーっとコンプレックスだった。今でも間違いなくコンプレックスである。けれど数年前、以前の職場で「ほんと太ったね〜」と言われたことをきっかけに、やっと自分でもデブをネタにすることができるようになった。俺、デブです。痩せたいです。一生に一日でいいから、激やせしてタンクトップで街を闊歩したいです。堂々と開き直れるようになった。心の重荷の半分が下りた気がした。
そしてつい最近、もう半分の重荷を捨てることができた。それはすなわち「デブに見られたくないという願望」だ。自分でも何をいまさらだが、私はできるだけ体の線が見えないような服を選択し続けてここまできた。ダボッとしてたり、生地が厚めだったり硬めだったり。それでなんとか誤魔化せている(かも)と思っていた。思い込もうとしていたのだ。私の外見をご存知の方は意外かもしれませんが。
でも、もう、諦めた。鏡を見るたびにガッカリするのはもうやめた。どんな小細工を弄したって、私は太って見えている。既にデブと見られ、デブと認識されている。ならば、それを受け入れよう。頑張ろうとするのをやめよう。現状と正対した上で、本当の頑張りは「本当に痩せること」に振り向けるべきだ!そうなのだ(自分を鼓舞しながら書いています)。
ということで、ここ数年XLを選択しがちだったところを、最近はLにするようにしている。敬遠していたロンTやらカットソーの類も分け隔てなく着るようにし始めた。現在はユニクロの七部袖を愛用中(これ)。ピチピチはいやだけど、腹や胸の形が出るぐらい構わない。厭わない。おっぱいがあるみたいに見えても問題ない。最近はブラトップが気になっている。どうしようかな。何の話だこれは。