「手放せなくなるツール」の怖さ

最近気になっているツールが2つある。1つはDropbox。ファイルをオンラインでストレスなくバックアップしておける上、複数のクライアントマシンで同期を取ることも容易らしい。もう1つはEvernote。メールソフトのようなインターフェースでザクザクとメモをとることができ、これまたサクっとオンラインでバックアップ+複数マシンで同期というもの、らしい。どっちも無料(有料版もあるっぽいが)で使うことができるよう。仕事術系の記事やらなんやかんやで、最近よく目にするこの2つ。もうこれなしでは仕事にならない!的に惚れ込んでいらっしゃる論調の記事もよく見る。
興味津々である。導入すべきかと悩む。しかし利用に至らず二の足を踏んでいるのは、まさにその「もうこれなしでは」状態になってしまうことへの怖れ・躊躇である。便利なツール、大いに結構。しっくりくるお気に入りのツール、すばらしい。けれど、いざというときに代替可能なツールでなければリスキーだ。
ツールが使えなくなる要因はいくつも考えられる。「オンライン環境じゃなくちゃ使えない」「パソコンがなくちゃ使えない」もそうだし「サービスの有料化」「サービスの終了」「サービス主体たる会社の倒産」それに会社勤めの身としては「会社的にそういうの使うの禁止ね。セキュリティ的に」ってのもあるだろう。そういった事態に直面したときに「何もできません」「仕事になりません」では困る。
以前も似たようなことを書いたけれど、かけがえのないツールに依存してしまうことはリスクや弱さを抱え込んでしまうことだ。リスクを支払って余りある利便性があれば、そこでの判断なのだろうけれど。すなわちそこまでの飛躍的なイノベーション(自分にとって)がまだ見いだせていない、ということなんだろうな。
「どんな道具でも同じく高いパフォーマンスを」まで強くなろうとする覚悟はないけれど、代替可能なお気に入りツールを使っていきたい。と同時に、徒手空拳的な強さを身につけていかなくちゃなあ、とも思う。無理して手ぶらに特化しすぎる必要もないだろうけど、気張らずに、ほどほどに。
まあ「携帯電話全般」とか「パソコン全般」「インターネット」とかが使えなくなってしまったら(例えば利用コストが劇的に上がるとか)それは困ってしまうけれども、「自分だけが使えなくなってしまう」のでなければ、それは「そういう世界になってしまった」ってことだから、きっと困らないだろうと思う。
ちなみに仕事の話とは少しずれる部分もあるけれど、現時点で自分が使用しているツールを書き出してみる(会社支給の文具・インフラを除く)。

  • パソコン:Mouse Computer LM-M100S(Windows XP)/Apple iBook(10.4)→そのとき販売されているパソコン(比較的安価なもの)で代替可能
  • 携帯電話:W62S→そのとき販売されている携帯電話(キャリアが変更になってもOK)で代替可能
  • ブラウザ:Firefox→他のソフトで代替可能
  • メール:Google/Yahoo!→他社サービスで代替可能
  • ブログ:はてな→他社サービスで代替可能(バックアップしとかなくちゃ)
  • SBMはてな→他社サービスで代替可能(バックアップ…できるんだっけ?)
  • 手帳:モレスキン→他社の類似品で代替可能
  • ネタ帳:モレスキン→他社の類似品で代替可能
  • メモ帳:ロディア11番→他社の類似品で代替可能
  • レコ帳:無印良品のダイアリー→他社の類似品で代替可能
  • 取材ノート:A5型のノートいろいろ→いつでも代替可能
  • ペン:HITEC-Cコレト→他社の類似品(ゲルインクだとなおよし)で代替可能
  • pomeraポメラ)→ネットブックで代替可能(これは若干かけがえないな…早く追随してください他社!)

極論すれば、とりあえずネットにつながって、文房具系は紙とペンとカレンダーさえあればなんとかなる。ほぼ大丈夫だ。あーすっきりした。