intro『わたし -THE CASSETTE TAPE GIRLS DIARY-』

7/7sun 14:00-@コンカリーニョ。
下敷きにされているという太宰治『女生徒』は昨年はじめて読んで、おったまげて、それきり再読はしないままに劇場へ。
最高。個人的にはintro最大風速。いつもより速球が走り、スローボールの球数が少なく、そのかわりというわけでもないのだけれど、なんだか得体の知れない曲がり方をする変化球が混じったような配球。なんでも野球にたとえるやついるよね。
「わたし」だなんてドのつくほどのストレートタイトル、おなじくタイトルにあるようなノイズを含むアナログの繰り返し、繰り返すたびにすりきれてゆく繰り返しを重ねながら、そうして生まれる総和としての「みんな」のすみずみまで目と神経の行き届いた舞台。イトウワカナ作品は一人芝居も観たけれど、ひとりあたりの密度や熱量、その強度にかんして、人数が増えようとまったく損なわれないままに全体がオーガナイズされているように感じ、圧倒された。
集団としてのintro作品、もっと観てみたい気もするし、そういった意味でこの女生徒なるモチーフが、ぴったりだったのかもしれないなと思いました。