冒頭と視覚(書き出し小説のこと)

コツコツと遊ばせていただいております、デイリーポータルZの「書き出し小説」。このまえ入選したものが、めでたく3月月間賞をいただきました。ありがとうございます。
@nifty:デイリーポータルZ:書き出し小説大賞・第16回秀作発表
(ページ後半から審査がはじまります)

教壇目線になったとたんに恋愛がシムシティのように見えてくるのが発見でした。そういうラブプラスやりたいです。繁殖ゲームみたいですね。(林雄司
教師を主人公というより観察者にしたところがいい。朝礼台目線の校長ドラマも読んでみたい。(天久聖一

「目線」のことを意識して書いたもの(むしろそれだけ)だったのでうれしかった。冒頭の短文ということで、なおさら。以前読んだ、広告コピーに関する渡辺潤平さんのコメントにも「視覚化できる言葉」とあったし、ビジュアルとしてイメージを喚起できる言葉は、やはり強く印象に残るものなんだなあ、と再認識したと同時に、言葉の芸だからこそ「実際の視覚化は不可能なんだけど読み手の脳みそを刺激する、わけわかんなくておもしろいもの」にもトライしたいなあと思う。前に読んだスティーヴン・ミルハウザーは、そんな感じだったなあ。