かわいいだけでもすごいことです

昨年暮れ、札幌ロフトで見かけたディスプレイ。

これはたいへんだ。

かわいい。ただそれだけのことがどれだけすばらしいことか。いやおうなしに人は目を留めざるをえない。なごまざるをえない。やさしくならざるをえない。そんな「かわいい」をつくれる人を、たとえば絵筆を使って表現できる人を、私は尊敬する。
そのうえこんな、「悪意」と解釈されても反論の難しいような、やばい雰囲気を注入できる人に、プロとしての凄味を感じる。尊敬する。この毒気があるから私は思わずスマホのカメラを起動したのだから。いや、でも、これはやばいけど。

同じく昨年暮れのパルコの、この感じも。


自分に絵心がないからといって、表現のビジュアル面についてのよしあしの判断を保留・委任・放棄してしまうことを、できるだけやめようと思っている。自ら絵筆をとって描く能力が著しく低いということが、見る目の育成を諦める十分な理由にはならない。
感覚も養いたいけれど、理屈でいける部分は理屈でいきたい。そして理屈の外にあるものを、今よりもっと深く尊敬したいと思うのです。たとえばそれは私にとって、100%ORANGEだったり。
商売道具にしている文字だって、フォント選びも文字組も、そもそもの文字のカタチや密度やつながりや、意識していることはいっぱいあるわけで。あ、美しくなくてもいいけど、もうちょっと説得力のある文字を書けるようになりたいです。