90ミニッツ(2011)

テレビ録画鑑賞。三谷幸喜+西村雅彦+近藤芳正!つまり笑の大学!もうなんちゅうか、それだけでじゅうぶん感慨深いんであるけれど、西村さんが髪は白くなってるのに後退は進んでないんだなとか、近藤さんが以前よりギラついてる感じがするのとか、時が経ったのだと思わされつつ鑑賞。
はりつめっぱなしの一幕物、耐えられるのはタイトルが上演時間だろうと予測がつくから。基本、物語は派手に展開することなく、でっかくおもたいひとつのテーマのまわりをぐるぐるぐるぐる回り続ける。出口が見えるような見えないような、へたすれば鬱屈でどん詰まりしてしまいかねないなかを、ぐいぐいひっぱられてゆく心地よさ。ギャグを封印された舞台は、息を止めたままでの全力疾走のよう。「快」の多い作品ではないけれど、凄味がある。
もちろん「コメディの三谷幸喜がやったから意味がある」みたいな部分は少なくないのだろうし、シリアスな舞台作品なんてのは世の中にごまんとあって、それも含めたなかで特別すばらしい作品だったかといわれると、私には正直それはわからず、「ふつうにすばらしかった」としか言えない。ただ「会話を主軸にして物語が展開する密室劇」という意味ではたしかにこれは三谷節なんだろうな。これをふまえて、やっぱりコメディがまた観たい。
このメンバーまたいっしょにやってほしいなー。そして劇場で観たいなー。