劇団野の上『ふすまとぐち』/山田百次『或るめぐらの話』

6/10sun14:00-@コンカリーニョ。イトウワカナ@wkn_introにそそのかされて観劇。約100分の演目と、約22分の一人芝居の二本立て。


『ふすまとぐち』
開演前から出演の山田百次がフツーの格好で客入れしてて、前説もしてて、あまりにフツーの格好すぎるので開演してはじめて「ああ、あれ衣装だったんだ」と知れるという。開演前より開演後のほうが訛るという。そのへんの面白さからスタート。そこでもって「津軽弁訛りの標準語」と「津軽弁」がこれほどまでに違うものかと一発で思い知らされて、わけのわかんないユーモアで、劇中に引きずり込まれる感じがした。逆に言えば、そこにしか「引きずり込まれる動き」を感じなかった(それが悪いわけではない)。というのも平時とわりかし体温が変わらないままで作品時間が進行するので。物語には抑揚も緩急もあるし、フツーじゃない設定も演出もいくつかある。でも、ずっと平熱な感じがした。なんなんだろな。


『或るめぐらの話』
平熱のままでセット転換、小休憩の後に始まった一人芝居。やっぱり津軽弁で、やっぱり全てはわからないが、雰囲気はグッと変化。山田百次の所作の豊かさと、いい声の魅力が『ふすまとぐち』に比べて際立った。『ふすまとぐち』ではそれだけ抑制をきかせていたというか、別のベクトルにもっていってたってことなのかも。


面白かった。観に行っておいてよかった。