intro『言祝ぎ』

3/11sun14:00-@コンカリーニョ。昨年11月以来のintro。やっと書く。
毎度いけしゃあしゃあと客席を凍りつかせながらタブーにカチこむ菜摘あかね、軽々といろんなボーダーを飛び越えては客席の懐にひたと寄り添う大高一郎。両名ともいわゆる、あまりニュートラルな俳優ではないと思うのだけれど(というのはintroでしか観てないからなのか?というのはニワトリタマゴだけれど)このカンパニーの個性であり魅力であり、表現を可能たらしめている存在だと改めて感じた。脚本と演出と俳優のからだ、どっちがどっちなんてわけのわからないニワトリタマゴ。ああ、演劇って、わけわっかんなくておんもしれーなー。
で。個人的に今回のおめあては田中佐保子の出演。拝見するのはたぶん2回目(『わるい子』以来)だと思うのだけれど、ファンなんである。楽しみにしていたのである。そしてやっぱり、よかったのである。なにがそんなに私のツボなんだろう、たたずまいとか、声とか、だけではない気がする。いま思いつきで当てずっぽうにいうけれど、そぎ落とされたムダのない最低限の動きしかしていないのに、そのなかで見えないくらいの速さで細かく振動しているような。ストレートに見えている以外の含意(いい意味でのノイズ)量が大きい感じがするのかもしれないな。また観たい。
イトウワカナの脚本は今回も寸止め具合とカチこみ具合の出し入れが絶妙で、そこを“(乱暴にいえば)演劇的な演出“でふわりとクリエイティブジャンプしちゃう感じで。ウェットとドライの重ね塗り、生乾きのままびたんと投げつけられるのだけど、うーん、アリ!みたいな。観終わった後、たしかな満足度といっしょに面白いモヤモヤが残る。クセになる。疾走感はあるのに遅いところはすっごい遅い、くるりの『HOW TO GO』みたいなテンポで進む不思議な時間。次回作も楽しみ。

うっとりの国

しかしあの舞台美術は秀逸だったなー。


そういえばintroのウェブサイトができてた(いままでなかったのすごい)。いい感じ。メンバーのラインナップを見るにつけ、やはりよいカンパニーだなあと思うのである。ここに宮沢りえ蔵が加わったりするんだからちょっと!もう!
http://intro-sapporo.com/