しあわせのパン

1/29sun昼間@ユナイテッドシネマ札幌。あんなに前の方まで席が埋まってる映画館を久しぶりに見た。そして前の方で観た。まあるいパンが歪んで見える…。


今後、ひとつの道標となってしまいかねない作品だと思った。それはやはりどうしても比べてしまう、かつての『かもめ食堂』(2006)のように。でも、やっぱり違う作品。とてもよかったです。


基本的にファンタジーとして(地名や登場人物などは)描かれているのだけれど、それはファンタジーと意識させない程度の、控えめに添えられた注釈のようなファンタジー性で、ほとんどリアルに見える物語の要所要所に違和感が心地よく入ってくる(ひとつまみのクサさとともに)。いい。
また、世間の経済から切り離されているように見える、トーヤのツキウラにできたナチュラルテイストのお洒落なカフェは、あたかも「そこで上がり」のように思われがちな楽園のような場所だけれど、決して「そこで上がり」ではなく、「彼らが途上なのだ」という部分にドラマがあって、この作品の魅力が宿っているように感じた。
もうちょっとセリフが少なかったら、きっともっと好きな映画になったと思う。


ちなみに作品の本筋とははずれてしまうけれど、事前のプロモーション等における「この作品って、こういう作品なんですよ〜」の空気づくりが鑑賞に与える影響の大きさを、ひしひしと感じた。
あと、最近の、ちょっといいなって思う邦画には、たいていヨーロッパ企画の人が出てるような気がするのだけれど、そんなことないですか。


以下、魅力を感じた気づきメモ。

  • どんなに平和に見えても、事件は起こっている。
  • 真俯瞰の画の多用(統一)。
  • 空に見える雪
  • あんなに喋らない大泉洋だなんて。