チェーホフ『桜の園』

岩波文庫赤、湯浅芳子訳。言わずと知れた名作戯曲を今頃初読(演劇部部長だったよ!)。
ずっと持ってたのに読んでいなかったのはよくある「ロシア人の長い名前が憶えられない」でありまして、それも愛称になったりフルネームになったり、フルネームから愛称がまったく連想できなかったりという困難。「だれが地主やねん状態」である。ただ、まあ、薄い(文庫で100ページない)ので試しに読み始めてみたら、なんとか読めてしまった。いちいち巻頭の登場人物リストを見るのは途中でやめた。何人か曖昧なまま読み進めても問題ないものである(それだけ物語の骨格がしっかりしているということなのかもしれないが)。
とにかくみんな、みんながみんな、他人の話を聞かない話。俺が担任だったら怒鳴ってるレベル。もちろん劇作・戯曲のスタイル(独白アリ、なおかつ会話ではなく一人科白がモノをいうような)による部分もあるのだろうが、それにしたって大の大人がよくもまあ、な印象。没落ってこういうものなんでしょうかね。
以下、魅力を感じた気づきメモ。

  • 特徴あるキャラクターづけ(撞球狂/二十二の不倖せ)
  • ダメな奴ばっかりだけど悪い奴はいない
  • 短さ

桜の園 (1962年) (岩波文庫)

桜の園 (1962年) (岩波文庫)