intro『わるい子』

12/5sun昼公演@コンカリーニョ。introは初。イトウワカナ作は『歯並びのきれいな女の子』以来2度目。
前日の千年王國のような物語的物語とはうってかわって、バラバラが並行し、つながりあってつむがれるストーリー。こういう類の舞台は個人的にも大好物なのだけれど、正直、楽しくないもの(必ずしも悪い意味ではない)も多い中、『わるい子』は文句なしに面白かったし、心地よかった。サービス精神があった。イントロ・アウトロも素晴らしく、なんというか、しっかりと時間を空けて気合を入れて観に来なくても、平日のちょっとした空き時間に突発的に観ても大丈夫、的なコンビニエントさ。すいすい飲める旨さ、というか。軽いんだけど単純ではなく、「よくわからんモヤモヤな要素」がちょっとずつ練りこまれていて。これ、どんな思考で本書いてんだ。いいなあー。
しかしまあ、役者がみんな素敵というのは本当に素晴らしい。無責任に書き放ってしまうけれど、お金を払って観に行く演劇で、残念な人が出ていないということは本当に素晴らしい。それって要は、つくり手が役者ひとりひとりについて、その人の人格や個人的な人間関係と切り離して(そんな必要がないこともあろうけど)、表現のための、観客サービスのためのいち要素として割り切り、かつ最大限にその特性や能力を引き出しているってことなのかもしれない。おうおうにして客というものにとって、つくり手の表現したいこととか、想いとか、どうでもよいことだったりするので。

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千年王國といいintroといい、立て続けに良い舞台を観ることができて本当に良かった。また観るぞ!劇場に行くぞ!みんなも行け!