キャッチボールへの飢え

ついに、ついカッとなって、とうとう買ってしまった。



人差し指出してみたぐらいにして。

少年野球時代以来、実に16年ぶりに我がものとして手にする軟式用野球グローブ。「安いのでいいや」と思っていたのに、あれやこれやと装着したり匂いを嗅いだりあと匂いを嗅いだりした結果、やっぱ合皮じゃなくて革だべ(主に匂いの点で)と、ゼビオスポーツで8,000円のSSK。野球するならSSK。なんかねー、やっぱ「野球メーカー!」って感じのが欲しかったんだ。あー買っちゃった買っちゃった。
グローブをお店で真剣に眺めたのって久しぶりだったのだけれど、いろいろあるんだねぇ。だれそれモデルなんてのもすげーいっぱいあるし、やれやわらかくでどうだの、やれキャッチしやすいだの、口が開きっぱなしだった。俺は文房具大好きですけど、スポーツ用品の世界も奥は深いねー。楽しかった。
念のため言っておくけれど、俺は野球の試合がやりたいわけではない。大の大人のスケジュールを18人分も調整するなんて難儀きわまりないし、そのためにありえないほどの早起きをするのも俺はイヤだ(朝野球やってる社会人のみなさまのことは本当に尊敬しています)。要は、俺はそれほど試合への飢えはない。あるのは「キャッチボールの飢え」なのである。
二人いれば始められて、ちょっとしたスペースがあればやれて、せいぜい5分〜数十分の時間があればじゅうぶん。疲れたら終了。この気軽さ!気持ちよさ!達成感!ちょうどよい運動負荷!キャッチボールって本当にすばらしい。
作家の原田宗典が「西早稲田キャッチボール連盟」を組織している(活動は空き地でキャッチボールするだけ)というのを氏のエッセイで読んだ中学生のころは「くっだらねー(笑)」というぐらいだったのが、今は別の意味で「西早稲田キャッチボール連盟」にとてもぐっとくる。キャッチボールってすごくいい。そんな連盟なら俺も入りたい。
俺は肩も強くないしノーコン気味なので相手には迷惑をかけてしまうかもしれないけれど、だけどすんごくキャッチボールをやりたい。試合はしたくないし、チームとか入りたくない。ただただキャッチボールがやりたいだけなのだ。だけだけど、すごくやりたいのだ。
ああ、それなのに、それなのに、毎朝早起きして朝練して日曜には試合してた、少年野球時代よりも高いグローブ買っちまった。あーうれしいあーうれしい。さっきから部屋でずっとパンパンやってる。ボールを入れっぱなしにしてポケット作るんだ!