服部幸應・三國清三『味覚を磨く』
角川oneテーマ21。札幌市中央図書館より。
食育的な話。料理の世界に疎い私でも名前と顔が一致する著名な御二方だけれど、彼らが食育にすごく真剣に取り組んでいる(つか、服部先生が旗振り役に近い?)のを知らなかった。
私は別にジャンクフードで育ったわけではないけれど、どちらかといえば味音痴だと思う。「おいしい」の閾値が低い。だいたいのものがおいしい。食うのも速い。そんな自分の性向を嫌いではない。「サバイバル能力が高い」と解釈している。
いろんな「おいしさ」や、味の違いを知ることなどが「どうして大切なのか」が本書には書かれていない。そこんところの説明が不足しているように感じたのが残念だけれど、別にうるさい食通になれと言っているわけでもない。読みながら考えたのは、やっぱ「食」は生命に直結している営みであるし、「味覚」ってそのセンサーなわけだから、研ぎ澄ましておくというのはやはり大切なことだし、逆に鈍くなってしまうのって危険かもしれないなあ、と。で、それ自体が「楽しみ」に転じたら、それはそれでいいわけだし。味覚のピークは12歳。大人の味覚は意識しないと育たない。ふだんの食事で、ちょっと意識してみようかなと思った次第。この間ちょっと読んだ『神の雫』を思い出した。
親子一緒に食べる等のプロセスを通じて人間性を育む…的なくだりは、説明が安直過ぎて「ほんまかいな」と思ってしまうけれど、まあおそらくは大切なことであるのだろう。将来自分が親になったときは思い出して、真剣に考え直したいところ。
- 作者: 服部幸應,三國清三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 新書
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