天野祐吉『広告も変わったねぇ。』

札幌市中央図書館蔵。私は熱心な『広告批評』読者ではなかったけれど、読んでみた。広告業界に転職するにあたり、これまでの広告の流れというか、そのへんのちょっとしたエッセンスだけでも知っておいたほうがよいと思ったので。広告をとりまくいろいろいろいろな言説や考え方、それらのどれが変わりゆくもので、どれが変わらないものなのか。迷ったときに振り返るきっかけの一つになるんではないかな、という本な予感。
気になった部分の自分的メモ。「評判をつくる」という広告の役割は変わらない。現代において「売り」につなげるためには、「広く告げる」ところからではなく「評判をつくる」ところから、のイメージ。広告の三つの役割は「インフォメーション」「レポート」「オピニオン」だが、これからのマス広告はオピニオンに集約されていくんじゃないかという予想。やっぱり広告は、表現。(芸術の自立性・自律性など、とっくの昔に疑わしいわけで。)手間は惜しめない。これからはなおさら。
……と、メモしつつ、別に覚えきってなくてもいいや、とも。さらーっと「あ、こんな話あった、かも」ぐらいで、ほんとに思い出したくなったらまた借りればいいし。本屋で立ち読みできるし。なんなら買えばいいし。軽く。
やってみなくちゃわからんと開き直るいっぽうで、どのように自分の意見を持っていこうか。と、まあ、そんなことを考えながら過ごしています。