山本高史『案本』

サブタイトルは、「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」。札幌市中央図書館蔵。借りるつもりはなかったんだけど、つい手に取ってしまった。冒頭をさらりと読んで「経験」の話が書かれていて「おっ」と思ったのだ。読んでよかった。
経験は大事。だからといって「とにかく遊べ」っていうこととは違うところに救いを感じた。実経験、疑似経験、そして「脳内経験」。経験とは、ただスルーするのでなく「いかに脳を動かすか」。きっかけが日々の当たり前の生活であっても、脳を動かせばそれらはすべて経験データベースになる。
谷山本で語られてるところの「なんかいいよね禁止」を、「いい」意外にも拡張するような、前田知巳がいうところの「いかによく生きるか」を具体化したような、そんな考え方。そして、覚えておくためのメモ。自分自身を厚くしよう。
経験は大事。経験は積めば積むほどよいし、そうすることで「主観=偏見」のバリエーションを増やしまくって、妥当性に近づける。少なくとも、提案相手(クライアントや、世の中)の主観を含むほどに。脳内アングルで全体像を把握して、脳内ツリーで普通をつきぬける。認知→理解→評価。認知→理解→評価。
学生のうち、せめてピチピチの新入社員のうちに読みたかったが、当時読んでもピンとこなかったかもしれないなあ。いま読んでよかった。読んだことをわすれずにいよう。