ポール・オースター『幽霊たち』

新潮文庫柴田元幸を追っかけてたどり着く。100ページちょっとで薄くて軽くて表紙も小洒落てて、通勤鞄にはぴったりの一冊。面白いんだか面白くないんだかよくわからん不思議な話。でも退屈じゃない。内なる考え事の記述が多くて多くて、それは「多いなー」と感じるほどだったけれど、ときどき出てくる限定的な(でもその先に広々としたニューヨークが広がってるような気がする)往来の描写。リズムよく、ゆっくりだけれど、さらっと読めた。深読みしようと思やできるんだろうけど、俺はいいや、それは。後から何かの拍子にじわじわくればいいんじゃないの、くらいで。

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)