今月のブレーン(発想力/想像する意志/本当のこと/継続性)

『ブレーン』vol.48/no.8(2008年8月号)より抜き書きメモ。今月ちゅうかもう先月だけどやる。

全体のレベルとして、テクニックはすごく上がってると思うんですよ。ただ、テクニックはあるんだけど発想力がないっていうのも増えてる気がする。今は、テクニックがあるから発想がなくても何とかなってしまう風潮がある。
倉本美津留/P25)

テクニックではない発想力。妄想を茶化さず真摯に受け止め広げる訓練。

(ネットショップのレコメンド機能に関して)もう便利と思わないで使っている人も多いと思う。ああいうのこそR指定にしたらいいんじゃないかと思いますよ。広くいろいろなものに出会って、いろいろ見たり聞いたりして、そのうちに自分の好きなものが分かってくるんだと思うけど。面白いことっていうのも、そういう関係ないものを自分の中で結びつけて出てくると思うんですよ。
倉本美津留/P26)

「遠いもの同士の…」とはよく言われることだけど、その考え方を磨くための環境づくり。この部分のR指定に深く賛同。

面白くするために、面白さだけを主眼に置くことはしちゃいけないと思ってるんです。たとえば面白がらせるために、愛とか勇気とかのウケそうなテーマを、作り手が本当は興味がなかったとしても無理やりくっつけるような。特にたくさんの人を面白がらせようとすると、そうやってどんどん加工されて、ウソ臭くなると思う。面白くなくてもいいから、「本当はどうなの」っていうものを、自分が作るというより自分が見たい。
しりあがり寿/P27)

何のために書くのか、そこんところ。

ネットでも、素人さんのレベルがすごく高くて、僕なんかよりはるかにうまい人もいっぱいいる。その中でプロとアマチュアの違いを考えると、継続性だなと思うんです。誰でも最大瞬間風速なら出せるけど、ずっと作り続けるのって簡単なことではない。ただ、今は何百万人も最大瞬間風速を出しうる人がいるから、企業としては、アベレージを保っているプロよりも素人の最大瞬間風速を出してくれる素人に目を向けているところも増えていますよね。
FROGMAN/P29)

自分はどちらにいきたいか。

アメリカには、情報をいかに視覚的に伝えるかという「インフォメーション・グラフィックス」という独立したデザイン領域があります。その研究者として有名なのがエドワード・タフト。彼が研究するのは、情報を整理し直感的に伝えるグラフィック表現。
(山崎和彦/P45)

知らなかった。メモ。

見る人が情報をとらえる枠組というのは本当に瞬間的で、本人も無意識のうちにその人のフレームがつくられてしまう。最近、デザインするということは、人が最初に見たこのフレームを作る“装置”を、絵柄として作るということなのだと気づきました。
寄藤文平/P55)

なるほどなー。

日本のものってよけいな情報が入り過ぎている。
平林奈緒美/P63)

たしかにそうかも。うっとうしい。逆にそのうっとうしすぎるほどのおせっかいに慣れきってしまっているかもしれない感覚が怖い。

最近、パッケージデザインで表現と表記の違いを考えるんです。たとえば「のどか」という名前の清涼飲料水があって、パッケージにはそれらしい個性的な書体で描かれているとしましょう。それは表現ですね。ところが時々、成分とかの内容表示にもそういう書体を使っているものがあるんです。それを見ると、おかしいぞと思う。これは表現じゃなくて内容の表記。ニュートラルで、何も感じない書体で内容だけ伝わればよいのだから。そういう脳みその使い分けができていないんです。それは無神経だと思うし、内容や見る人のことを想像してないんじゃないかなと。そういうのを見ると、デザインとか、デザイナーって何かなと思うことがあります。
葛西薫/P64)

想像力と、想像をする意志とは微妙に違うよね。

世の中には露出するだけで機能してしまうものも少なくない。
(野尻大作/P84)

だから闘い。

    • -

長い休みが終わる。精神的な軸を据えて。