斉藤英治『王様の速読術』

速読術の本を読むのに2週間かけてしまった。決して読みづらかったわけではなく、あれこれとまとまらない考えが頭の中でどうどうめぐりをぐるぐる繰り返していたので。ま、そのへん決着はついていねどもまずは進まねば、と。
さて本書。ポイントとしては「精読こそ絶対、ではない」「本は家来である(=本に振り回されるな)」「目的を設定して本を読め」ってあたりが個人的に収穫。あるコピーライターは「俺は言葉の使い方とか表現とかが気になるから速読はしない」のようなことを仰っていたけれど、それはそれでよいと思うのだ。そういった目的をもって読めばよいのであろうというのが一つ。そしてもう一つにはセレンディピティなるものはただ漫然としているところに起こるものではなく、あるAという目的に向かっているときに出会うことのできるFだからである。まあ、私はとにかく「読まなきゃ」って思っちゃう既成概念と権威に弱いタイプの人間なので、上記3つのポイントぐらいは忘れないようにしておきたいなあ、と。
1冊30分で本を読むことがよいことかどうかはケースバイケースだろうけど、とりあえず速読以外にも使えそうな考え方。後半〜終盤の英知がどしたこしたってあたりはなんだかきなくさいので読み飛ばし可と今の私は判断した。

王様の速読術

王様の速読術